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バイクユーザーのプロテクターの装着状況

胸部を守るプロテクターも非常に重要なアイテムである。
年々、少しずつ普及が進んでいるプロテクターについて解説していこう。

胸部プロテクターの認知率

現在のバイクユーザー全体での胸部プロテクターの認知率は75.0%となっている。
若年層ほど認知率が高く、効果に関しては認知者全体の94.9%が大きな効果があることを知っていた。
胸部プロテクターを知ったきっかけは、二輪車教習所が最も多く、排気量が大きいバイクのユーザーほど認知率が高い傾向がある。
また、バイクのタイプによっても認知度に差があり、「スクーター・タイプ」や「ビジネス・タイプ」のユーザーは認知率が低く、「ネイキッド・タイプ」、「クルーザー(アメリカン)・タイプ」、「スーパースポーツ・タイプ」、「アドベンチャー・タイプ」、「オフロード・タイプ」のユーザーは認知率が高い傾向にあった。
また、二輪車安全運転講習への参加者は、胸部プロテクターについての認知率が高いことが分かった。

胸部プロテクターの着用率

では、実際に使用しているバイクユーザーはどのくらいいるのだろうか。
2022年、警視庁による調査によると、バイク事故における胸部プロテクターの着用率は8.9%と低く、胸部が損傷して亡くなるライダーの数は死亡者数の約29%と報告されている。
保有率でみてみると、16〜29歳の若年層においては保有率が最も高く、購入動機は教習時に着用したためやバイク仲間の勧めが主だった。
一方、中高年層はバイク関連WEBサイトを閲覧し、能動的に情報を仕入れた上で購入することが多く、外的要因からの勧めが少なかったことがわかった。
現在では教習所でも胸部プロテクターの着用が推奨されているが、以前は胸部プロテクターが普及しておらず、着用の意識が低かったことが理由のひとつと考えられる。
現在のバイクユーザーの約半数が胸部プロテクターを必ず着用しているという結果も出ており、着用意識は徐々に高まっていると言える。

胸部プロテクターの普及が進まない原因とは

プロテクター保有者のシーン別の着用意向においては、峠道、高速道路、長距離ツーリングなどで着用意向が高い一方、近所のコンビニや夏の暑い日などでは低い傾向にある。
胸部プロテクターをつけない理由の1位は「面倒である」で35.5%。次いで「価格が高い」が31.6%、「暑苦しい」が26.3%という回答だった。
また、プロテクター自体が当初は重く、硬くて動きづらい、通気性が悪い、種類が少ないなど課題は多々あり、普及が進まなかった。
しかし、近年、胸部プロテクターの進化によって、安全・快適で買いやすい価格帯の製品が増えている。
バイク用品店では、多種多様な形状、材質、価格、用途に合わせた胸部プロテクターが販売されるようになった。