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25年前から変わらないヘルメットの脱落

日本自動車工業会は2023年3月17日、バイクによる死亡事故の約30%でヘルメットの脱落があったと発表した。
この比率は25年間変わらず「ヘルメットをかぶっておけばいい」という意識が依然として変わっていないことを意味している。

ヘルメットの脱落によって頭部を強打

バイクの死亡事故の原因に頭部へのダメージにあることは疑いようのない事実である。
道路交通法では原付から自動二輪においてヘルメットの着用が義務付けている。自転車も2023年4月1日から着用が努力義務となった。
だが、死亡事故の約30%で、ヘルメットの脱落が起こっているという事実だ。
これはバイク走行時、ヘルメットの着用義務の検挙を逃れるためだけに「形だけ着用していること」が長年にわたっていることを意味する。
ヘルメットをかぶったらあご紐を締めるという啓蒙をしているが、25年間、ヘルメットの離脱率は変わっていない。
2022年のバイクによる死亡事故者数は435人。ヘルメットをあご紐まで結びきちんとかぶっていれば、130人の命が救われたことになるのだ。
ヘルメットのあご紐は簡単に切れない強度と、Dリングやラチェットなど外れない耐久性がある。
もしも事故現場でヘルメットをかぶっていない状況で救出されたのであれば、ヘルメットを頭にかぶせただけで、頭部に致命的なダメージを与えているということがわかるのではないだろうか。
二輪車委員会では、改めて正しいヘルメットの着用を求めている。

警察も取り締まりできない

バイクのヘルメットはかぶることが義務となっている、かぶってもあご紐を締めるのは定められていない。
ヘルメットが脱落したと聞くと、半キャップやジェットタイプをイメージするかもしれないが、フルフェイスでも簡単に脱げてしまうことは、二輪委員会の実験で証明されている。
現代はヘルメットだけではなく、胸部プロテクターの着用が求めれられる時代だ。
警官も見かけたら注意するようだが、さらに一歩進んで取り締まるよう法律を改正する時ではないだろうか。

あご紐は正しく締めよう

あご紐を下方へ引張り、のどに当たっていないか、またはたるんでいたら、Dリングを通してあご紐を適切に結んでいないことになる。
製品マニュアルを確認し、あご紐を締めなおすこと。
あご紐にはいくつか種類があり、ワンタッチ式のプッシュリリースタイプ、スライドリリースタイプ、ラチェットタイプなどがある。
他にも手間はかかるDリングタイプがあるが、実は一番安全性が高いという。
いくら、安全性の高いヘルメットでも正しいかぶり方をしなければ、その性能を発揮できない。あご紐一つで助かる命。しっかり締めよう。